第20回 NY MBAの会 講演内容レポート

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9月22日(木)、第20回NY MBAの会を開催いたしました。
記念すべき第20回目の今回は、リオパラリンピック視察から直行でお越し頂いた日本ブラインドサッカー協会事務局長 松崎英吾氏をお迎えし、『NPO団体の経営 ソーシャルベンチャーとしてのブラインドサッカー』と題して、ブラインドサッカー協会がその成長を軌道にのせるまでの苦労や戦略、今後の展望等についてお話しいただきました。(参加者20名、うちMBAホルダー&在校生8名)

ブラインドサッカーとは、ゴールキーパーを除くフィールドの選手が全盲の状態でプレーするフットサルのようなもので、パラリンピック公式種目でもあります。残念ながら今回日本はアジア予選で敗退しリオパラリンピック出場はなりませんでしたが、アジアはベスト4に2チームが残る強豪地域です。

日本ブラインドサッカー協会が他の障がい者スポーツ支援の非営利団体と異なる点は、寄付や政府からの補助金のみに頼らず、安定した運営を行っていくための収入源を確保すべく組織的に動いて結果を出しつつある点にあります。日本代表の試合観戦を障がい者スポーツで初めて有料化するなど、同協会の活動は他の非営利団体と一線を画しています。

もうひとつの収益の柱として、同協会は活動を行う中で得た知見をもとに、一般企業・学校向けの研修プログラムを作成・販売しています。この研修は障がい者の立場になってみることで彼らがどんなに不便な思いをしているのか、ということを追体験するという道徳のお勉強的なアプローチではなく、障がいのない人がチームワーク・リーダーシップ・ダイバーシティを理解するためのツール、というアプローチで多くの企業から研修実施の依頼を受けています。障がい者は弱いという固定概念から、サポートしてもらう・企業としてCSRの一環としてお金を出してもらうということではなく、同協会だからこそできるバリューあるものを提供して正当な対価をもらうという形式を確立させています。

研修プログラムの一例として、セミナー当日は参加者がペアになり、片方の人が目隠しをしてもう片方の人が指示を出す内容を絵に書くというワークショップでスタート。そこで、指示の出し方や視覚障がいがある方とそうでない方とのコミュニケーションの取り方の大切さ、多様性への理解に気づかされました。セミナー冒頭にこのような参加型のとっかかりを設けることで参加者のアテンションを集めることができる点も、研修というものをしっかり理解されている団体のリーダーと感心しました。

視覚が制限されている中で同じゴールを目指すには、これまでのコミュニケーション方法以外の手段で情報を共有しなければならず、このような研修は新チームのビルドアップにも効果が高いとのことです。

上記のような研修は、目的や所要日数、参加人数、予算レベルなどによって内容が細分化され、現在20種類以上の研修パッケージとなって販売されています。特に「OFFSITE」というブラインドサッカー体験プログラムでは、なかなか言葉だけでは伝わりにくいプログラムの醍醐味を、人事部の担当者に実際に肌で感じてもらい年間契約に繋げるなど、しっかりしたマーケティング戦略を持ってPDCAを回転させ、持続可能なNPO団体であり続けるための努力や工夫をこらしていらっしゃいます。

同様のことは他団体でも理論上不可能ではないと思いますが、研修プログラムのパッケージ化は非常に手間がかかり、常時メンテナンスも必要で、継続して実施するには組織力が欠かせません。もちろん脱サラして2年間無給で頑張られたという松崎さんの類まれなるご尽力とお人柄を抜きにこの強固な組織作りはありえませんが、車の両輪のようにもうひとつの輪っかとしてこれを支えているのが、スタッフ全員で一年半かけて生み出した「ブラインドサッカーを通じて、混ざり合う社会を築く」というビジョンです。ここからブレークダウンされたミッション、ゴールが効果的に設定され、本当に組織論の教科書に出てくるような組織作りをされています。

本当に学びの多い回で、これからも当会は日本ブラインドサッカー協会と松崎さん推しで行きたいと思った次第です。皆さんもぜひブラサカのHPをご覧になっていただければと存じます。http://www.b-soccer.jp/

さて、次回のMBAの会は、10月27日(木)午後7時から、いつものGラボにて『米国でMBAをとるということ。』をテーマに、①MBA留学準備セミナー、②トップMBA校在学・卒業生による座談会を開催いたします。是非、皆様のご参加をお待ちしております!