第47回『年末特別企画!大所帯ジャズができるまで~音の仕組みとマネジメントのヒミツ』

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12/12(水)に、今年ジャズのメッカBirdlandでのワンマンライブを大成功させた作曲家・ピアニストの宮嶋みぎわさんをお招きし、『年末特別企画!大所帯ジャズができるまで~音の仕組みとマネジメントのヒミツ』と題して12月の月例会を開催し、総勢30名(内MBAホルダー3名)の方々に参加いただきました。

まず最初に、ジャズの成り立ちと、ジャズが他のジャンルとどう違うのかについてお話し頂きました。
ジャズは奴隷制度により、アフリカ音楽と西洋音楽が出会って始まりました。
そのルーツはアフリカ音楽にあると言われており、当時の西洋音楽とは異なるメロディを持ち、またリズムが強調されているのが特徴のひとつです。
西洋音楽とアフリカ音楽が出会って出来上がった音楽の一つがラグタイムというジャンルの音楽です。4拍子の中でも1,2,3,4の2と4に意識を向けているのが特徴の一つで、ラグタイム王といわれるスコットジョプリンの曲は皆様も一度は聞いたことがあると思います。
ここでみぎわさんより、上記の特徴を踏まえて童謡カエルの歌をアフリカ音楽風・ジャズ風に演奏していただき、その差を耳で確かめました。

アメリカでジャズと聞くと、NY以外にもロサンゼルスやニューオーリンズなどの都市があげられますが、ロサンゼルスは商業用の音楽としてのジャズが有名なエリアで、ニューオーリンズは歴史あるジャズが楽しめる場所、アーティストとしての芸術性を求めたジャズが集まるのがNYエリアとのことで、みぎわさんが音楽を志す場所としてNYを選んだのは、それ故「ジャズ」と認識される音楽の幅が広いからとのことでした。

次に、普段どのように作曲をしているかについてお話し頂きました。
「作曲」と聞くと、朝起きたらハッとひらめいた、お風呂に入ってきたらメロディが降りてきて、、、というようなコウノトリ的な方法を想像する方が多いと思いますが、実際はそんなことはなく、聞いていて心地よいメロディを作る、というのはある一定の仕組みを理解すれば作ることができる、とのこと。
心地よい周波数やメロディというものは音の組み合わせである程度決まっており、それを知っていれば自分の作りたい雰囲気のメロディラインを作ることができるそうで、あとはそれを使って起承転結をどう曲の中に盛り込んでいくかが大事だそうです。
ここで再度童謡カエルの歌を用いて、曲の起承転結についてご説明頂きました。

ドレミファミレド(起)
ミファソラソファミ(承・起で知っているメロディラインを移動させただけなので聞いていて心地よい)
ドドドド(転・今までと違ったメロディ、驚きを与える)
ドドレレミミファファミレド(結・起で知っている心地よいメロディで締める)

この起承転結に加えて、クライアントの意向、自分が与えられる価値、この曲で表現したいことの定義を明確にして作曲をすることが大事で、全ての曲に対してみぎわさんはこれらを考えながら作曲をされているそうです。
例えば、先日みぎわさん含む日本・韓国・ブラジル出身の3人の作曲家で構成し設立したNY Jazz Composers’ Mosaicには、「バックグラウンドが異なる人が集まることで、それぞれの違いを楽しむ」というコンセプトがあります。このデビューイベントとなる12月のコンサートでみぎわさんは、ここで発表する曲の定義として「日本」というバックグラウンドから、お正月によく耳にする箏(そう)曲・春の海をジャズアレンジした曲を発表しました。
作曲にあたり、春の海から感じる「和」の要素はどこからくるのかを何回も曲を聴いて分析し、要素を抽出して取り入れた過程を、ご自身が実際に書かれた楽譜を用いて説明頂きました。また、和の雰囲気を出すために必要な楽器の選定や、17人のバンドメンバー全員にこの曲の独特な「間」を理解してもらうため、3,3,4という変拍子を使って曲のゆらぎを表現したこと、各メンバーの見せ場や曲全体としての見せ場の部分の作り方、等をビデオを用いて原曲と実際の演奏を聞き比べながらわかりやすく解説頂きました。

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最後に、2011・2014年にご自身もノミネートされたグラミー賞の仕組みについて解説頂き、今年のグラミー賞の見どころをお話し頂き、今後のご自身の展望についてお話頂き講演を締めくくられました。
※来年2月発表される第61回グラミー賞のレッドカーペットにみぎわさんも登場される可能性があるとのことで、是非チェックしてみてください!

音楽テーマに興味を持ってご来場頂いた参加者の方々だけあって、講演終了後の懇親会でもみぎわさんを交えてジャズや音楽ビジネスの話で盛り上がり、2018年の締めくくりに相応しい賑やかな会となりました。

2019年最初の会は1月24日(木)に開催致します。詳細は追ってFacebookとメールにてご連絡致します。

事務局・田村 梨江