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【第45回NYMBAの会】 『知らないと損する米国税制の知識~米国税制改正、知的財産、移転価格の観点から~』

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10/18(木)に『知らないと損する米国税制の知識~米国税制改正、知的財産、移転価格の観点から~』と題し、ジンウック・キムさんをお迎えして月次定例会を開催し、総勢37名(内MBAホルダー5名)の方々に参加いただきました。

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会は米国税制改正の発端となった、BEPS (Base Erosion and Profit Shifting、税源が浸食されて利益が移転するという意味)と呼ばれる概念の説明からスタートしました。BEPSとは、法人税率の低い国に課税所得を移転させることで法人税の支払いを減らす行為であり、各国の税制の違いを利用する多国籍企業のこのような行為に対応するため、G20諸国の要請に応じて、OECD が15項目のBEPS 行動計画を策定しました。そのうちのひとつに「Country-by-country report(国別報告書)の作成」があり、一定条件の下で当局同士での納税者の情報交換を可能にしています。

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第27回 NY MBAの会 講演内容レポート

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【第27回NYMBAの会開催レポート】
4月27日(木)第27回NY MBAの会を開催いたしました。
今回は『和製Robotics Design Furnitureの米国進出』をテーマに、電動昇降機能付き洗面台“LAP”シリーズ(現在特許申請中)の開発・販売を手掛ける株式会社I&C代表取締役 佐田幸夫さんをお招きし、ロボティクス、センサ、IoTなど最新技術を搭載し、デザイン性と機能性を兼ね備えた製品をいかに米国市場に進出させるかについて参加者の皆さんと議論を深めました(参加者30名、うちMBAホルダー9名)。

同社は2008年に設立されたベンチャー企業で、『利用者の身長や状態にあわせて生活のリズムをつくる』をコンセプトに20~30万円の医療・福祉施設向けから、高級レジデンスや商業施設向けの高価格帯まで幅広いニーズに対応する商品開発をしています。本年1月には米国法人を設立し、米国進出に向けて本格始動しました。昨年にはメガバンクと医療系ベンチャーキャピタルから1億円の資金調達に成功し、次のステップとしては3億~5億円の資金調達を目指して、2020年までに売上163億円(内、LAP商品の欧米販売比率40%)、従業員80名の事業規模を目指しています。
これまでの日本国内およびアジアにおける販売戦略の反省点として、ゼネコンや設計事務所にアプローチをしてもブランド認知度の低さや人脈の乏しさからスムーズに参入することができませんでした。この経験を活かし米国では、医療系コンサルや代理店販売を中心に販路拡大を計画中です。また、アジアではローカライゼーションに特化しすぎた結果、競合他社に模倣されたケースを踏まえて、今後はデザイン性を重視した商品差別化を図ります。なお現時点では、米国市場における医療・福祉のニーズが見えないことから、まずは個人宅用インテリアから販売を開始します。
これらの状況を踏まえ、参加者がコンサルタントの立場、投資家の立場、経営者の立場に分かれて同製品の米国進出に必要な戦略を議論しました。

<コンサルタントチーム>
米国市場は、洗面台製造業者は20社強、ディストリビューターは400~600社。販路先としては住宅、商業、病院、福祉施設が考えられ、現在市場を牛耳る大手企業は存在しないことから、参入障壁は低いと考えます。さらに、ニッチなニーズを的確に応えることにより、同社売上目標(2020年までに米国年間12,000台販売)を達成することは可能と判断。そのためには、高価格帯で洗面台を販売している競合他社をさらに分析したうえで、機能性とデザイン性のいずれかを重視するのかを明確にする必要があります。中途半端な商品だと受け取られてしまうリスクを避けるためです。
以上の分析から、ターゲットは個人向け富裕層に絞り、機能性を重視し、デザイン性については個々の嗜好にカスタマイズする仕組みを導入することで、販路拡大につなげるという提案が出されました。

<投資家チーム>
1.投資判断基準
投資家はマーケットサイズで判断するため、短期的な成功しか見込めないビジネスには投資しません。また、多くのベンチャーキャピタルは成功した一握りの利益に頼っているため、30%という低い確率でも成功する見込みがあると判断すれば投資を決断することが多いです。
2.キャッシュフローマネジメント
基本理論として、ベンチャー企業のキャッシュフローは最初Jカーブを描くことが多く、初期投資に係る費用に加え、生産コストがかさみキャッシュが不足します。LAPのケースでは、生産はアウトソーシングするため初期設備投資はないものの、製造にかかる調達コストの支払い期限や販売代理店からの回収期限のバランスを見誤ると、キャッシュが不足するリスクがあります。
3.リスクリターン
リスクを明確にする必要があります。製品がディストリビューターに移点したときに販売責任を負わせる場合、ディストリビューターへの販売価格は低価格にならざるを得ません。他方、責任を負わせないのであれば、高価格でディストリビューターに販売することができますが商品販売保証はありません。キャッシュフローマネジメントを加味し、販売計画を立てる必要があります。

以上の分析から、現状、中国で売上が伸びているなかで米国に進出する必要性や、投資資金使途に不明確な部分が多いものの、これらが明確になれば投資価値のあるビジネスだと判断しました。

<経営者チーム>
機能性かデザイン性かどちらかを絞る場合、LAPの魅力は機能性と認識し、今後の開発をしていくべきだと判断しました。基本的にはB to Bに特化し、B to Cにおいては特別なニーズがある層にのみリースします。また、多くのディストリビューターを利用するのではなく、B to Bおよび富裕層向けに販路を拡大できる代理店を絞ることなどを提案しました。

最後に佐田社長からは、「国内の課題と重なる部分も多く、商品の反応に関してアプローチを変えていく必要があると感じたため、今後デンマークのデザイナーと共同開発する際にはターゲットを明確にしたい。また、介護のニーズが低いという意見が多くあったが、将来的には在宅介護に特化したいと思っているので、米国でも一般家庭用から在宅介護に発展させたい」という強い意気込みを伺いました。

次回のMBAの会は、5月25日(木)午後7時から、いつものGラボにてロンドンビジネススクール教授リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著『ライフシフト』を題材に、1年ぶりのブッククラブ形式で100歳時代の戦略的人生設計について皆さんと議論したいと思います。ご参加お待ちしております。

 

第26回 NY MBAの会 講演内容レポート

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【第26回NYMBAの会開催レポート】
3月23日(木)に第26回NYMBAの会を開催致しました。

今回は『一世を風靡した日本ブランドの新たなチャレンジ』をテーマに、日系大手メーカーにて北米地域のセールスプランニングを中心にグローバルサプライチェーンマネジメントを担当されている黒岩克哉さんをお招きし、某時計ブランドをどのように北米マーケットに浸透させ一定のシェアを獲得したのか、また踊り場に直面している現状や当面の課題についてお話し頂きました。

時計業界は商品1個当たりの単価が$9から$1,000,000までと幅広く、低価格帯の商品が売上個数では全体の4分の3以上を占めるものの、時計全体の売上高は半分以上が高価格帯の商品で構成されているという特徴があります。またUSの販売チャネルとしては、プレミアと呼ばれるMacy’sなどの大手デパート・高級宝石店、ミッドティアと呼ばれるJCpenny・Sears、マスと呼ばれるWalmart・Target等があります。

これまでこのブランドは低価格帯でマス向けに多くの商品を売る戦略を取ってきたのですが、ここ10年でブランド力を上げ、低価格帯のマーケットはそのまま維持しながら高価格帯の商品を作りプレミアチャネルにも売る戦略に変えてきました。 結果、売り上げが10年で2倍以上にあがり2015年には同商品史上1番の売上高をたたき出しました。

その成功の要因は、有名タレントに着用してもらう、雑誌のトークコーナーで商品を勧めてもらうなどのマーケティング活動が功を奏したこと。また、ベルトの長さなどUS規格にあった商品づくりを進めることができたことの他、中でも興味深かったのは店頭に立つストアスタッフのモチベーションを上げることに成功したというもの。

ストア店員は、自分が販売した商品の合計金額に対するコミッションで給与を得ている為、できれば高い時計を売ってコミッションを多くもらうことに注力しがちです。この時計ブランドはその高価格帯の商品に真っ向から勝負をするのではなく、高価格帯商品を買う顧客のファミリー層・今後昇格していって高価格帯の時計を買う層に成長しそうな人たち等、ストア店員にとっての新しい顧客層を生み出すことにフォーカスをし、このブランドの商品販売をモチベートすることに成功しました。

ところが、ここ1、2年は中国経済の下落もあり、時計業界全体が落ち込んできているといる現状がある中、このブランドも多くの課題に直面し、新しい施策を迫られています。
これまでにアプローチしきれていない女性・ミレニアム世代などのターゲットにどのようにアプローチしていくべきか。小売店の売上が縮小しAmazonなどのオンラインショッピングに移行している中で、どう価格勝負に対応していくか。Like数が直接売り上げに結びつかない中、SNSにどこまで力を入れ、プロダクトラインとSNSのターゲットをどう合致させていくか。等。
こうした多くの課題点に対して、インフルエンサーを起用した広告を始めたり、オンラインでディスカウントで売られないようにMAPポリシーを設けるようにするなど、これまでの成功体験に捉われそうになりながらも、少しずつ改善に動き出している現状のとのことです。

参加者の方にもなじみ深い商品だっただけに、講演中も積極的な質問や意見が飛び交い、また黒岩さんに持参いただいた高級時計を実際に手に取り感動の声があがるなど、有意義な会となりました。
次回は4月27日(木)午後7時より『ロボティクス家具の米国展開戦略を練る(仮題)』をテーマに株式会社I&Cの代表取締役CEO佐田幸夫さんをお招きし、当会メンバー西原哲夫氏と齋藤晃氏のリードの元に同社の米国展開戦略を皆さんと議論する企画となっています。
是非ご参加ください。

※写真はTriangle NY 植山さんに撮影頂きました。ありがとうございました。

 

 

第25回 NY MBAの会 講演内容レポート

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【第25回NY MBA会 講演レポート】
2月23日(木)、第25回NY MBAの会を開催いたしました。
今回は『グローバル企業のIR戦略』をテーマに、日系大手総合電機企業にてIR(Investor Relations)活動を担当されているマネージャー永本多美恵さんをお招きし、IR活動の定義、概要から、株価形成に大きな影響力を持つといわれる機関投資家とのコミュニケーションの実務、ワールドツアー、コーポレートガバナンスなど、日系グローバル企業におけるIR戦略について基本から応用、実務における悩みまで幅広くお話しいただきました(参加者19名、うちMBAホルダー3名、在校生2名)。
企業のIR活動とは、企業と資本市場の橋渡し役であり、公正で公平な市場づくりを目指して、株主や投資家に対して自発的に企業情報を開示することで適正な評価を受けることです。また、投資家の視点を経営に反映することも大きな役割の一つです。
そんな企業のIR活動を遂行する担当者の主要業務は、セルサイド(証券会社)のアナリストと機関投資家をはじめとするバイサイドのアナリスト・ファンドマネージャーに企業の経営に関わる情報を適時開示することになります。ここで典型的な日系の大手製造業が抱える問題点としては、事業ポートフォリオが複雑化して主力事業が見えにくく、短期的に効率の良い投資を志向するタイプの米国投資家に敬遠される傾向があることで、基本方針としてもう少しロングタームで保有する年金基金等を主なターゲットにされています。


また、日本の投資家が企業のブランド(規模感)やポートフォリオ全体の安定性に着目、穏やかな成長を認める向きがあるのに対し、外国人投資家は事業セグメントごとの収益性、将来性および成長戦略に注目してリストラを含む大胆な構造改革を提案してくるという違いがあります。そのような厳しい外国人投資家を振り向かせるグローバル企業となるために、永本さんの所属する会社では各事業のトップが責任をもってBS、PLを管理するカンパニー制を導入し、各ビジネスユニット長を資本市場の矢面に立たせ、自分が管轄する事業を客観的に分析する機会を設けているのは興味深かったです。
また、外国人投資家が重要視する項目のひとつであるコーポレートガバナンスの分野では、取締役会に半数以上の社外取締役を起用、中でも巨大米国企業の元CEOである役員は実際の取締役会にて各事業部の状況を説明する執行役員に辛らつな駄目だしをしているということで、よそ者を嫌う傾向にある日本企業の中では極めて先進的な取り組みをなされているのではないかと思いました。


参加者からは、日本のコングロマリットが各事業体の事業価値の合算よりも企業全体の株価が下落するコングロマリットディスカウントに陥る原因の一つとして、事業の短期的な収益性のみならず長期的な将来像、成長戦略のプレゼンテーションが乏しいことがあるのではないかという指摘も出ました。コングロマリットであることの優位性(コングロマリットプレミアム)を投資家に対して理解させるべく、事業を遂行している当社こそが臨機応変にポートフォリオを組み直すことに長けていることを断言することから始める必要がある等、日本企業の特性をグローバル市場で高く評価してもらうための建設的なディスカッションは尽きることがありませんでした。


次回のMBAの会は、3月23日(木)午後7時から、いつものGラボにて『一世を風靡した日本ブランドの新たなチャレンジ』をテーマに、日系大手電機メーカーで北米地区のセールスプランナーとしてグローバルサプライチェーンマネジメントを担当されている黒岩克哉さんにお話しいただきます。皆さまのご参加をお待ちしております!

 

第24回 NY MBAの会 講演内容レポート

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【第24回NY MBA会 講演レポート】
1月26日(木)、第24回NY MBAの会を開催いたしました。
今回は『欧米市場の開拓 – 無名ブランドからメインストリームへの階段』をテーマに、MIKI HOUSE AmericasのPresidentを務めていらっしゃる竹田欣克さんをお招きし、欧米市場においてMIKI HOUSEブランドをゼロから確立されたご経験をもとに、ラグジュアリーブランディング戦略、アパレルマーケティング戦略に加え、ビジネスにおける信頼関係の構築、人脈づくりの重要性等について幅広くお話しいただきました(参加者31名、うちMBAホルダー9名、在校生2名)。

一般的に、アメリカ人は衣・食・住の中で『住』に一番投資し、続いて『食』、最後に『衣』にお金をかけると言われています。そんな米国市場で、子ども服ビジネスに新規参入することは極めてチャレンジングですが、竹田さんはボストン大学留学中にお子様にMIKI HOUSEの子ども服を着せて街を歩いていたところ「このお洋服素敵ね。どこで買ったの?」と何度も聞かれた経験から、誰がお客様なのかを間違わなければ、売れる市場は必ず存在すると確信、留学後アメリカに残り新規市場を開拓することを創業社長に進言したところ、「わかった。よかろう。でもひとりでやるんだぞ。」と言われたそうです。ところが現実は甘くなく、スーツケースに商品サンプルを詰めて朝の6時から営業に出かける毎日にへこたれそうになりながら、MIKI HOUSEの商品を扱ってくれるお店の方々との信頼関係を構築していきます。地道な営業努力と現地の人的ネットワークから得た情報に基づく顧客ターゲティングで、着実にMIKI HOUSEの名前を全米に浸透させていかれました。


プロモーションにおいては、グッチやディオールが紙面を飾るエアフランスの機内誌『Madame』での宣伝広告に加え、ブリトニースピアーズ、ジェニファー・ロペス等セレブリティの子どもに愛用してもらうことでパパラッチによる拡散が合い重なり、子ども服業界におけるラグジュアリーブランドとしてのポジションを確立しつつあります。


また2010年、大手化粧品メーカーのエスティ―ローダー創業者の令孫であるウィリアムローダー氏と出会ったことをきっかけに転機を迎えます。ウィリアムローダー氏にMIKI HOUSEの企業紹介資料と商品サンプル5セットを渡したところ、その翌週ブルーミングデールズの会長から直々に電話をもらうこととなり、その年の8月にはNY本店での出店が実現。同年フロア全体で一番の売上を叩き出す偉業を成し遂げます。ハロッズへの出店に関しても同様のトップセールスの末に子ども服フロアでの出店が決まり、着実に売上を伸ばすことで現在は欧米市場で一番大きな店舗面積を所有するまでにいたりました。


講演を締めるにあたって竹田さんは10年間欧米でのブランド戦略を実践された経験を通して3つのポイントをあげられました。①ターゲットとなる顧客のプロフィールに敏感になること、②店舗の出店や顧客ターゲティングにおけるLocationの重要性、③そして最後に「結局、人やで」というMIKI HOUSE創業者の言葉通り、人脈を大切にし、ビジネスパートナーとの当たり前の約束を当たり前に守るという信頼関係、です。


今後はこれまで築き上げた欧米でのブランド力をさらに強固なものにすべく、人種やスキルにこだわらず、MIKI HOUSEのブランドコンセプトを理解し、同ブランドを愛する熱いパッションを持った人材を育成していきたいという方針で、竹田さんのお人柄がにじみ出る印象的な言葉でした。


講演後の参加者からの質問タイムでは、E-commerceの展望と将来の日本・海外売上目標、マーケティング理論と実践との違い、参入障壁の低いファッション業界で商品の差別化をどうキープするか、などなどここでは書けない踏み込んだ内容の質疑応答が交わされました。

次回のMBAの会は、2月23日(木)午後7時から、いつものGラボにて『グローバル企業のIR戦略(仮題)』をテーマに、日系大手製造業でIR担当マネージャーを務めておられる永本多美恵さんにお話しいただきます。皆さまのご参加をお待ちしております!

 

第23回 NY MBAの会 講演内容レポート

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【第23回 NY MBAの会 講演内容レポート】
12月16日(木)、第23回NYMBAの会を開催致しました。今回は『2016年 忘年会 ~ギタリスト兼起業家・幅健司さんをお迎えして~』と題して、プロギタリストである幅健司さんをお招きし、Will – 意志をキーワードに会計からギター、そして起業へとつながっている幅さんのキャリアをお話いただき、後半ではギター演奏も披露いただきました。

幅さんはアメリカに留学後、会計を専攻して会計士としてニューヨークで活躍されながらも、本当に自分のやりたいことが出来ているのかと人生に悩まれる中で、音楽の道を志したいと強く思われていきました。会計士という収入の安定した職業から先の見えないリスクの高い音楽家を目指すことに対してはご両親も含めたまわりの方々は驚き、反対される方もおられましたが、自分の意志を貫いていかれました。

音楽の道に入るにあたってはManhattan School of Musicというニューヨークでトップの音楽大学を目指されましたが、そこは幼少期から音楽の英才教育を受けてきた生徒が集まる学校で、その段階では楽譜も読めなかったレベルにおられた幅さんにとってはとてつもなく高いハードルでした。しかし、そこからスズキメソッドなどの音楽学習方法を取り入れて音楽漬けの環境を作り、日々を過ごすことで見事に合格を勝ち取られたのは幅さんの意志の強さの証明だと伝わってきました。

また社会人であれば最低8時間は仕事をするのであれば、最低でも8時間は練習しようと強い意志を持ち、ギターの腕を磨かれたそうです。もっとも音楽家の道を志された幅さんにとってはその環境は理想郷であり、音楽家としてのスキルをアップさせていかれました。

しかし、現実としてはクラシック音楽市場は縮小しており、卒業後にプロの演奏家として生活を成り立たせているのはトップクラスの音大卒業生でも極一部ということもあって、起業という道を選びWillan Academy of Musicを設立されました。オンラインでの顧客の獲得、先生の確保、プライシングなどの様々な課題を乗り越えながら音楽教育を通じて子供たちに音楽の喜びを教えていくとともに、演奏活動と学校経営の両立によって音楽家としての活動を継続していくための方法を確立しようと奮闘されています。

後半の演奏会ではタンゴとフラメンコ、日本の作曲家である武満徹まで幅広い曲を演奏いただき、ギタリストとしての演奏スキルの高さと幅さんの世界観を表現していただきました。1月の演奏会には行きたいという声も参加者からあがる素晴らしい演奏でした。

ビジネスマン、アーティストとアントレプレナーの3つの面を見せていただき、今後の幅さんの活動の発展に期待を膨らませました。

次回は1月26日(木)午後7時よりいつものグローバルラボにて、武田秀俊さんをお招きして「NYエリアの日本人向けWebsite立ち上げ」と題して講演していただきます。
皆さまのお越しをお待ちしております!

 

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第22回 NY MBAの会 講演内容レポート

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【第22回 NY MBAの会 講演内容レポート】
11月21日(月)、第22回NY MBAの会を開催いたしました。
今回は、『日本発エンターテインメントのNY市場参入ケーススタディ』と題し、この春より日本人アーティストによるパフォーマンスイベントや戦隊ヒーローのアクター達が独自に生み出したキャラクター『サムライド』による各種公演などをプロデュースしてきたJapan Entertainment NYC代表である齋藤晃さんと、プロのスタントマンとしてご活躍中の羽賀亮洋さんをお招きし、NYでエンタメビジネスを成功させるための市場分析、ポジショニング、ターゲットセグメント分析、レベニューストリーム等について、Japan Entertainment NYCが直面している課題を踏まえ活発な議論が展開されました(参加者19名、うちMBAホルダー6名)。
齋藤さんは長年コンサルタントとしてビジネスプランを提案されてこられた経験を活かし、この春よりJapan Entertainment NYCを立ち上げ、アメリカでの成功を夢見てNYでチャレンジする若手日本人パフォーマーに焦点をあて、イベントの企画・運営をされてきました。他方、羽賀亮洋さんはパワーレンジャーのレッド役などを務めてきたプロのスタントマンで、現在はNetFlixの専属スタントマンを務める傍ら、週末のキッズ向け体操教室などを通じて将来的にはアメリカで日本のキャラクターショーを常時開催できる劇場をつくることを目標とし、NJを拠点にご活躍中です。


今回のケーススタディは、この両者がビジネスパートナーとしてタッグを組み、『サムライド』というAIに支配された人類を救う戦隊ヒーローをNYで売り出すための新規参入戦略・マーケティングプランについて、参加者の皆さんと考察を深めました。


アメリカのエンターテインメント市場は2位の日本の2.7倍もある世界一の巨大マーケットで、ライブパフォーマンスに関してはNYが全米一の市場規模があるそうです。その中で新規参入を成功させるためには、個性が光るユニークさが必要である一方、ニッチすぎると誰からも評価されないため、的確でかつピンポイントのポジショニングをすることで一程度のマーケット規模を確保することが重要になると齋藤さんは分析されていました。また、ブロードウェイミュージカルの演目別収益を比較し、有名作品を除いてその大半が赤字または初期投資の回収ができない演目ばかりであることから、費用の大半を固定費が占めるライブイベントビジネスで収益を上げることは新規参入モデルとしては非現実的であるという結論に至りました。エンターテインメントビジネスで利益を上げる理想的なモデルは、ライブイベントをカスタマーリレーションや広告宣伝と位置付け、楽曲やパフォーマンスビデオの販売促進ツールとする一方、ベースの収益はキャラクターグッズの販売や関連サービス等を多様化することで安定的に確保していくことにあります。


参加者の皆さんからは、『サムライド』の露出を増やし、付加価値をつけることが第一に必要なことではないかという意見が多数出ました。そのためにYoutubeに動画をアップして露出を増やす案や地下鉄や路上の同じ場所で毎日同じ時間にライブを行うことで口コミとビジビリティでSNS拡散をねらう案等が出ました。一方で、現状は羽賀さんがお一人でパフォーマンスをされていることから『サムライド』を毎日露出するための人材不足等課題も浮き彫りになり、同じことを継続することの難しさ、またその価値について再認識しました。


また、羽賀さんのゴールが和製キャラクター用の劇場づくりであることから、サムライドにこだわらず日本のアニメ好きを集めてファンクラブを作り、日本のキャラクタービジネス業界に売り込む案も出ました。AKB48に倣って「身近に会える戦隊ヒーロー」のようなブランディングコンセプトを決めるのもメッセージ性がありファンの心をつかみやすいのではないか等実りあるディスカッションは尽きることがありませんでした。


齋藤さんからは、ビジネスモデルやマーケティングプランを考えることは本業のコンサルタント経験を活かすことができるが、実行フェーズになると何が一番手堅い手法なのか覚悟ができず投資の規模が小さくなってしまうこと、またエンタメ業界やメディアとのネットワーク構築不足もボトルネックになっている等、Japan Entertainment NYCの運営を通じて感じられた本音もお話しいただき、参加者一同で今後の発展に期待を膨らませました。


次回のMBAの会は、12月15日(木)午後7時から、いつものGラボにて『2016年 忘年会 ~ギタリスト兼起業家・幅健司さんをお迎えして~』と題し、プロギタリストの幅健司さんによる演奏とあわせて音楽学校経営に関してお話しいただきます。ワンドリンク・軽食つき、BYOBでのご参加をお待ちしております!

 

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